年賀状印刷では、「足りないから追加」は割高になるのが基本です。この割高を避けるには、最初の発注時に単価が下がる「境界線(ボーダーライン)」を見極め、数枚多めに頼むのが最も経済的です。この記事では、予備の具体的な枚数と、再印刷のコストを跳ね上げる固定費の罠、そして賢く枚数を決めるためのチェックリストを整理します。
1. 予備枚数は「+5〜10枚」が最も現実的
印刷業者の多くは、枚数が多くなるほど単価が安くなる「ボリュームディスカウント」を採用しています。実数に加え、予備を数枚足して発注するのが鉄則です。
- 宛名の誤植・追加対応:データ修正や発注後に気づく誤字脱字、急な宛名追加で数枚は必要となるのが通例です。
- 年末に変動しやすい枚数:家族や職場の連名変更、喪中明けの通知など、年末に近づくほど変動が発生しやすいです。
- 余っても無駄ではない:余った分は「寒中見舞い」や近況報告、来年用の住所録最終検証など**別の用途に転用可能**です。
2. 単価の段差=境界線(ボーダーライン)の見つけ方
追加印刷の割高を防ぐためには、単価が急落する「境界線」を意識して枚数を決めるのが最も賢明です。
- 単価の帯を確認する:印刷業者の料金シミュレーションで、50枚→80枚や100枚→150枚といった単価が下がる帯(境界線)を探す。
- 境界線直下は危険:境界線のすぐ下(例:48枚)で発注し、後から2枚だけ追加すると、二重に割高(追加分は小口単価)になりがちです。
- 合計額で判断する:実数+予備の合計が境界線をわずかに超える場合、超える前の価格と超えた後の価格の総額を比較し、安い方を選びましょう。
3. なぜ追加印刷は「割高」になるのか?(固定費の罠)
追加で数枚頼むのが割高になるのは、印刷にかかる「固定費」が再度発生するためです。この固定費が小ロットに重くのしかかります。
再印刷時に発生するコストチェックリスト
- 最小ロットの壁:再印刷時は最小ロットが別設定(例:最低20枚から)となっており、小口は高い単価が適用されます。
- 割引・送料の再発生:早期割引やクーポンが適用外となり、さらに送料が再度発生することが多いです。
- 納期リスク:年末は特に納期が延びるため、追加印刷で到着が遅れ、投函が松の内(1月7日)を過ぎるリスクがあります。
4. 失敗を防ぐための最終チェックリスト
枚数の不足を防ぐだけでなく、デザインや宛名のミスを防ぐことが、結果的に追加コストを抑えます。早めの確認が割高を防ぐ最善策です。
- お試し印刷:色味や文字の潰れ、写真の仕上がりが不安な場合は、お試し印刷(1枚〜)を活用し、品質を事前確認する。
- 校了前プレビューの徹底:誤字脱字、連名漏れ、役職の誤りなどをゼロにする。
- 宛名CSVは前倒し:宛名印刷の取り込み締切は本体より早いことがあるため、早めにデータ入稿を済ませる。
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FAQ
- Q. 予備は何枚頼むべき?
A. 基本は+5〜10枚です。単価の境界線をまたぐ場合は、合計額で安くなる枚数を判断しましょう。 - Q. 追加印刷はどのくらい高くなる?
A. 最小ロットの割高単価に加え、送料や割引非適用により、体感1.5倍以上になることもあります。 - Q. 予備が余ったら無駄?
A. 無駄ではありません。寒中見舞いや住所録の最終確認用、来年の住所リスト整備などに活用できます。


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